誕生日に祝砲を

 ふと気付いたのだが、こんどの日曜日は僕の誕生日である。

 二十代も半ばになるとほとんど何の感慨もない。

 が、今年の9月17日(から18日未明)にFAは僕にとって無常の贈り物をくれる。

 マンチェスター・ユナイテッドVSアーセナルチェルシーVSリバプール

 プレミアリーグマニアの僕にとっては奇跡的な一日。昨今こんな贅沢な一日を僕は経験したことがない。まさにサッカー祭りだ、おまけに月曜も休みだしね。

 日曜には久々にギャルソンのジャケットでも買おうかと思っていたけど、そんなことは最早どうでもいい。いつもよりグレードの高いアイラ・ウィスキーでも買って夜に備えるしかない。

 ちなみに僕はアーセナルファンである(事実今僕は現ビジャレアルの7番ピレスのユニフォームを着ている。最早寝巻き)。なぜかというと僕はもともとジュビロ磐田ファンで、僕が本格的にプレミアを観だした2000年当時、ジュビロのサッカーと同等の美しさをピッチで体現していたのがアーセナルだったからだ。

 しかしジュビロアーセナルともにかつての美しさが失われている。

 アーセナルは新スタジアムのピッチがハイバリー時代より広いらしく、選手にも戸惑いがあるという。かなり低調なスタートの今シーズン、こんどの日曜に早くも一つの山場を迎えるというわけだ。

 しかし依然アーセナルのメンバーを見ると他に引けをとらない。ファン・ペルシー、セスク、ジウベルト・シウバ、エブエ、コロ・トゥーレ等々。さらにアシュリー・コールレジェスを失い、ベルカンプが引退したものの新たにチェコモーツァルトことロシツキー、バプティスタ(ベンゲルの数年来のターゲット)、ギャラスを獲得し、さらにジュルーなどの若手も台頭している。今シーズンを何とかすれば新たな常勝時代がくるだろう。

 そしてなんといってもティエリ・アンリだ。

 希代のゴールマシーンいやゴールメーカーが今シーズンもアーセナルを牽引していくことは間違いない。僕の中では間違いなく現代最高のプレーヤーである。

 9月17日、他には何もいらない。ただアーセナルの勝利を望む。美しいアーセナルらしいサッカー、そしてアンリのゴールを観たい。ただそれだけで僕は満足だ。

 もしアンリがゴールを決めればそれは誰がなんと言おうと僕にとってのバースデーゴール、すなわち歓喜の祝砲なのだから。