心機一転、これが日本の野球の力では?

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2006/12/11/01.html

 一時は絶望視され、球界関係者や週刊誌、ジャーナリストから笑いものにされた桑田真澄のメジャー移籍話が慌しくなっている。ドジャーズレッドソックスあるいはパイレーツからも打診があったようだ。

 桑田登板時のみジャイアンツファンそれ以外はアンチ巨人という僕にとってどうしてもメジャーのマウンドでぶつぶつとボールに語りかける桑田の姿が観たい。たとえそれが弱小球団だろうが中継ぎだろうが関係ない。桑田は桑田だ。
 僕は桑田の顔が好きなわけでも人間としての魅力にとらわれているわけではない(勿論プロとしてのあるいは野球人としての考え方は素晴らしい)、僕は彼のフォーム、マウンドさばき、マウンドでの立ち振る舞いが好きなのだ。あるいはカーブの軌道が好きだ。

 ここ最近日曜朝のサンデーモーニングでの大沢親分と張さんに失望させられることは多いが、確か張さんが先々週口にした桑田は引退したも同然だから,という発言には本当に失望した。

 WBCでの優勝で日本野球のレベルを世界に示した、と言い、松坂のメジャー流出には怒ってみせる。そして桑田のメジャー志望は無謀だと断じる。

 全くの矛盾だ。日本の野球が真に素晴らしいのならば、アメリカよりも優れているのならば(球界OBがよく口にする)、たとえ日本で峠を過ぎたピッチャーでも働き場所はあるはずだ。日本で活躍しまくっている選手がメジャーで活躍して何の意味があるのか。それこそ日本野球の優位を信じるものにとって何の意味もないはずだ、本来。まるで当たり前だからだ。

 日本で落ち目と言われた選手、例えば桑田がメジャーで通用する、それこそが日本球界の底力を示す最大の近道だ。日本野球の力を信じるものが、はなから桑田やかつての長谷川のように日本的に峠の過ぎた選手あるいは1・5流の選手のメジャー挑戦をバカにするようでは本末転倒だ。彼らこそより深刻なメジャー信奉者なのである。

 と、今日の月曜日。心機一転フレームを変えてみた。

 凍りついた自分のモチベーションをもう一度奮い起こしたいと思う。そこで先程飛び込んだ裏原宿での火事のニュース。

 数年前、おのぼりさんの僕が足しげく通った場所だ。地下一階の天婦羅屋とかチャプターの横のトンカツとか飯も良く食った(カレーの店もあった)

 あれから数年たち、恐らくもうあの地に行くこともないだろう。今日の火事は僕の青春時代の何かが焼失してしまっていたことを教えてくれた。
 勿論今日なくなられた方のご冥福をお祈りする。

 それでもなお、今日の火事が僕の何かを確実に燃やした。そう思う。そしてその燃えカスが次の季節には養分となり、新しい芽をはぐくむ。

 この日記の第二章は今日そのようにして始まるのである。